2012年1月9日月曜日

市営山科住宅

京都市山科区西野様子見町
ツインコリダー数: 2棟
形状区分: 両面ピット / 渡り廊下
供給区分: 市営
築年代: 昭和46~47年




外観はマッシヴ、内側はクール。
というのが、このツイコリの特徴です。

つまり、どこを見ても鑑賞的価値が高いということです。

まずは、外観をバシッと見てみましょう。




↑んんー、マッシヴ。(マンダムじゃないよ)
この存在感はただ者じゃないですよね。
三国志で例えると張遼ぐらいの存在感はありますよね。

山に囲まれた平地にドーンと佇むツイコリが2棟。
こいつぁー目立ちますぜ、旦那。

では、いつものように妻側を寄って見てみましょう。




↑ドーン!さすが張遼!(まだ言うか)

この妻側の何が良いかって、削り出したような壁面のコンクリの質感ですよ!
よく見ると、塗り込めたような凹凸があって、絶妙な寂寥感の中に明るさを湛えた、
もののあはれを感じずにはいられない壁面ではないかっ。

そして、壁面に影を落とす、ワイヤーフレームの住棟番号「1」。
「1」というのはただの縦棒、つまり究極のシンプル、侘びの極致を行く造形です。
ともすれば見落としてしまいそうな地味で素っ気ない佇まいが、美とは何かを教えてくれているような気がしてなりません。

アホみたいな話ですが、半分本気です。
(もう半分はふざけてるのかよ)

さらに、コーナーを面取りしたメタリックなピットが超クールなのですが、
そこはさらに寄って見ましょう。



↑かっこいいですね。
コーナーが面取りしてあるだけでピットの表情が豊かになるという好例です。
さらに、腰壁の材質が光沢のある網目状の金属なので、メタリックかつ透明度があり、渡り廊下から空が透けて見えて、何とも言えない味を醸しています。

一言で言うと、「た・ま・ら・ん!」 というやつですね。




↑美しいですね。
つや消しのメタリック素材には渋く、コーナーの窓には鮮やかに、空が映り込みます。




↑ちょうクール!
配管萌えの僕としてはたまらないものがあります。
メタリックな配管は後付けのものが多く、付き方によっては興ざめなものもあるのですが、無駄なく二度直角に折れ曲がるこれは秀逸です。

では、吹き抜け内を見てみましょう。




↑渡り廊下型の良いところは、1階がオープンになって採光が多くなるところですね。
レンガの道を敷き、下手に樹木などを植えず、すっきりさせているのも良いです。



↑上から見ても、明るくて開放感があります。
半透明な渡り廊下が、閉塞感を出さないように効果を発揮しています。




↑自転車、傘、鉢植え・・・と、メタリックで無機質な廊下に生活を感じさせるアイテムが
点在しています。
この無機と有機のコントラストも、ツイコリの醍醐味です。




↑おなじみのビューも、一味違う、メタリック風味。
タケヤ味噌かよ。




↑Stylish!(デビルメイクライかよ)
下から見上げたときの静謐とクールさといったら、夏の厚さも吹き飛びます。
全てが人工物の寂寥たる世界で、空が唯一の自然の色彩だとすれば、
空は即ち色、色は即ち空。色即是空、空即是色・・・。
ツイコリの吹き抜けに、禅的空間を僕は感じます。(まじめかよ)

実際、7月に行ったときの写真ですが、涼しかったですよー。

ツイコリの吹き抜けというのは、特に1階がピロティになっている場合、
風が通り抜けて日差しは直接届かないので、洞窟のような効果になって涼しいのです。
これは、幾つものツイコリに足を運んで感じていることなので、間違いないです。




↑この網目状(プレートに穴が多数あるタイプ)腰壁は、なかなか良いです。
廊下に明るさを確保しつつも、下が見えないので高所が苦手な人でも怖くなさそうです。
そして何よりメタリックでかっこいい!
この長い廊下も壮観です。

というわけで、外観はマッシヴ、内側はクールな市営山科住宅でした。

以上。

2012年1月2日月曜日

県公社西宮田近野団地

兵庫県西宮市田近野
ツインコリダー数: 2棟 
形状区分: アールデコピット
供給区分: 公社
築年代: 昭和54年


このツイコリは、アールデコピットです。
って、また新しい造語を。
ま、次の写真を見てもらえば、分かりますよ。
言わんとするところが。




↑住棟番号が端っこ過ぎて心憎いですよね。遠慮がちでキュートです。
って、そこじゃなくて。

中央は、見事なアールがついてますよね。
アールがついたデコピットだから、アールデコピット。
アール・デコ建築とは何の関係もありません(キリッ

アップで見てみましょう。



↑すてき!
昭和50年代的なアールですよね。
縦開きの窓が開いているのも、いとおかし。
窓フェチとしてはたまらないです。

では、このアールの中はどうなってるのか、見てみましょう。




↑ギリシャか!
今、何かとお騒がせなギリシャっぽい、柱が1本立ってます。
あくまで、っぽいですよ。

ともあれ、アールのついた窓と柱、エレガントです。




↑丸のついた部分に、何だか半球形のポッチが。
パッと見、採光用のトップライトかなーと。

近づいて見てみましょう。




↑なんじゃこりゃあ!(松田優作風に)
どうしてこうなった・・・不思議すぎる!

さらに近づいて見るっ!




↑未知との遭遇です。
僕はとんでもないパワースポットに来てしまったのではないだろうか・・・。

せっかくだから、下を覗き込んで見ました。




↑ええええええええええええええええ!
下まで一気通貫かよ!
想像の斜め下を行ってくれる、素晴らしい景観がそこに。

下へ行くほどに明かり取りとしての効果が微妙かと思ったのですが、
実際に行ってみると、意外と明るかったです。


つ、次、行ってみようっ!(いかりや長介風に)




↑これね、向かいの棟との連結部付近なんですが、
なぜか向かいの踊り場は、アールがついてます。
こっち側はついてないのに。
とにかく、棟ごとにデザインが全然違うという。。
かっこいいからいいけどね。



↑吹き抜け内のビューです。
縦開きの小窓が互い違いについてるのがE!(何がE!だ)
踊り場ごとに律儀に窓を付けてくれた結果、窓フェチを萌えさせる景観が生まれたわけです。

では、下を覗き込んで見ましょう。




↑と、トランポリン?
先生、トランポリンで遊んでいいですかー!わーい!
って、いや、どっちかというと焼肉の網でしょ、あれは。(違

まあたぶん、トップライトの上に落下物避けの金網を設けたんだと思います。
とりあえずボケないと気が済まない腐った心を浄化したいです。。




↑こちらは別の棟の吹き抜け内です。
小窓が1列、あとは全部壁という、やばいぐらいストイックな風情です。
よく分からない階段といい、なぜかグッと来る造形です。

そのストイックさとは対称的に、左手前のベンチの可愛いさったらもう。
何これツイ百景に認定したいですね。



↑補修跡?がまるでアートのように!
これはたまらない。ドアの色といい、何というポップセンス。
いや決して狙ってそうしたわけじゃないんだろうけど、だがそれがイイ!



↑そして、説明不要のイナズマライン。
いや説明しろよ、いいかげん。

それにしても、何でもあるな、ここのツイコリは。(華麗にスルー)

そんな舐めた姿勢でいたせいか、僕は重大な過ちを犯していたことに、
下の写真を見て、気づいてしまいました。




↑イナズマラインを内側から撮って喜んでいたわけですよ。
これはかっこいいなと。
ギザギザに風景を切り取るイナズマラインかっけー!と。

しかし、写真をよく見ると、川の対岸にツイコリが見えるじゃあーりませんか!
そのツイコリは、尼崎市営昆陽の台団地なんですが、そこにツイコリがあることに
僕が気づいたのは、何とこの写真を撮ってから1年後のことなのです。

浮かれてると未知のツイコリを見落とすという、教訓を得たということで。



↑定礎っぽい石板が住棟にありました。
こういうのがあると竣工年とか情報がわかりやすいので、
団地好きとしては、本当に助かります。

下の方には、日本エレベーターとあります。
が、別の棟では、HITACHI製のエレベーターがありました。

というわけで、
アールデコピットに謎のパワースポットにトランポリン、イナズマラインに至るまで、
見どころ目白押しの県公社西宮市田近野団地なのでした。

以上。

2011年7月27日水曜日

府営百舌鳥梅町住宅

大阪府堺市百舌鳥梅町
ツインコリダー数: 1棟 
形状区分: 両面ピット / スキップフロアツインコリダー / 住棟番号スプリット型
供給区分: 府営
築年代: 昭和47年



スキップスキップらんらんらん♪
昨今は、大人でスキップしている人を見かけません。
いやまあ、昔からそうかもしれませんが。。。
ここだけの話、僕は周囲に誰もいないのを確認してから、たまにスキップしています。

って、この情報は要るのかよ?

まあそれはそうと、ですよ。
大阪府営のツイコリには、スキップフロア型住棟が多いのですよ。
府営岸辺第一住宅、府営堺戎島住宅、府営摂津南別府住宅・・・
ときて、この府営百舌鳥梅町住宅。
もずうめまちじゅうたく。

こう書くと、ツイコリでスキップフロアって珍しくないじゃん!
と思うかもですが、ぶっちゃけ大阪以外で見たことがありません。
つまり、大阪府営がすこぶる頑張ってるだけ。

いや、頑張ったらスキップフロアになるのかは置いといて。
スキップフロアは、マニア的にはポイント高いんですわ。正味の話。
どうポイントが高いのか、このエントリーで感じてみてくださいなー。

では、いつものように、妻側から見てみましょう。



↑これも大阪府営のツイコリの特徴なんですが、
左右の棟で住棟番号が分かれています。
このタイプは他でもたまにあります。。

窓に庇がないので、壁面がでこぼこせず、フラットな質感が出ていますね。
まあ、デザイン的に狙ったわけじゃないでしょうけど。

では、バルコニー面を見てみましょう。



↑昭和47年築にしては、モダン過ぎません?最近のマンションみたい!

それもそのはず。
2009年か2010年あたりに、大規模な改修があったようで。
なので、外ヅラがすこぶる良くなっています。

というか、これはレアなんですよ。
古いツイコリの造形と、最近のマンションぽい外観とが融合しているわけで。
バルコニー面がデザイン的に新しくなって、その他は塗り替えと補修のみという感じなんですが、それが返って、1枚目の写真のような新鮮なランドスケープを生んでると思うのでし。

何だよ、でしって。

次、内部の吹き抜けを見てみましょう。



↑これぞ、スキップフロアツイコリ!いやー、かっこいい!
各階に廊下がないのが、スキップフロア型。
それゆえに、スキップフロア型住棟は、造形が変化に富んでいて面白いんですが、
さらにツイコリ成分も味わえるという、二度美味しいのがたまらないですね。



↑何かこう、基地っぽいかっこよさなんだよね。
廊下にのみアクセスしてる階段室の密度と、間引きされた空間のバランスが美しいと思うのでし。
だから、でしとかやめて。



↑これもほんとに基地っぽい。スペースコロニー的な。
無重力空間を飛んでいって、階段室の開口部から出入りするみたいな。
ああもう、かっこいいったらありゃしない。



↑これはもう、侘び数寄に近いと僕は思うわけで。
間引きされた空間構成と、床のコンクリートのひび割れの補修跡。
府営なので、床を見栄えよくするためのコーティングとかしないから、
コンクリート剥き出しなわけで。

だが、それがいい!

この無機質さの中に、僕は造形的な萌えを感じるわけです。
さらに言うと、吹き抜け内の共用スペースは無機質なのに、
各住戸内には有機的な生活空間が確実に存在するわけで。
その想像上の対比こそが、ツイコリ鑑賞の真の魅力!

そ、そこまで行ったら変態かもしれないと、ちょっとだけ思います(爆)。

まあでも、ツイコリに限らず、団地の何が良いかって、
そこに人々の暮らしがあるってところだと思うわけで。

一言で言うと、生活感。
家の外側にそれが滲み出たり出なかったり、
その濃淡を肌で感じ取ることも、団地巡りの楽しみだと。

あ、真面目なことを書いてしまいました。。


次、外に出て、ピットを見上げてみましょう。


↑府営のスキップツイコリ特有のピット。
相変わらず飛んで行きそうになるビュー。
凹凸とディテイルのパターンが組み合わさると、テクノサウンドが聴こえてきます。。

最後に、最上階のピットからの眺望を見てみましょう。


↑手前の吹き抜けというか中庭?のある建物は、大阪府立大学です。
その向こうは、大阪平野の突き当たりまで、開けた眺望。
二上山、葛城山、金剛山の稜線がくっきりと見えます。

ここからは離れていますが、僕が子供時代に住んでいた団地のベランダからも、
同じ山並みが見えました。
僕の原風景の一つです。

って、ちょっとしんみりしちゃったじゃねーか!


・・・というわけで、魅力満載の大阪府営百舌鳥梅町住宅でした。
以上。

2011年3月5日土曜日

都営北砂一丁目第3アパート

















東京都江東区北砂
ツインコリダー数 : 2棟
形状区分 : 両面ピット / スカイクロスビュー / ピットに掛時計あり
供給区分 : 都営
築年代 : 昭和46~47年

ここはツイコリ好きは必見!
ツイコリ激戦区の江東区が誇る、神ツイコリの1つですよ。

妻側の朱色が鮮やかですね。
って、そこが一番のポイントじゃないっす。






















↑近っ!
2棟が近接して建っています。

って、まさか、まさかまさかまさかっ!?

まさかりかついだ金太郎。
じゃなくて。



















↑きたーーーー!スカイクロスビュー
2棟が近接し、ピットが正対する時にのみ現れるという伝説のツイコリビュー。

・・・ラピュタは本当にあったんだ!(やかましいわ!)

スカイクロスビューが存在するツイコリは、
ここの他には 大阪市営瓜破東第二住宅 しか僕は確認していません。

ありそうでないんですよ。
基本、公団は2棟を近接させることがないし、
よしんばあったとしても、ズラして建てるので正対せず、クロスが成立しないという。

このスカイクロスビュー、住宅の機能としては無意味(むしろマイナス)ですが、
ツイコリ好きとしては、宇宙の神秘を感じさせるほどに神々しいのです。

クロスの中心に、オリオン座の3つ星がはまる時っ!まさしく綺羅星☆っ!みたいなね。
いや、何も起こらないだろうけどね。

このビューをデザイン化して、ツイコリ十字団を結成したいぐらいです。


















↑絶妙なポップさ!
車と入り口付近のモザイク模様と、住棟の赤とピットと。

あまり知られていませんが、スカイクロスを上から見下ろしたビューを、
グラウンドクロスビューと言います。

知られていないも何も、スカイクロスビュー自体、お前が勝手に考えたんだろうが!

と、つっこまれそうなので、調子に乗るのはこのぐらいにしときます。


















↑この高さでピットを真正面から見られるのも、ここならでは。
もちろん、大阪市営瓜破東第二住宅でも見られます。

















↑すてきすぎる。
小名木川をクルーズするとこのビューが拝めます。


以上、スカイクロスビューを擁する都営北砂一丁目第3アパートでした。

2011年3月1日火曜日

公団牛巻団地

















名古屋市瑞穂区牛巻町
ツインコリダー数 :1棟
形状区分:両面ピット
供給区分:公団
築年代:昭和51年

さて、牛巻団地ですよ、うしまきだんち。
パッと見の外観は、ごく普通のツイコリです。
これといった特徴なんかないだろうと思いそうになります。

では、いつものように妻側から見てみましょう。






















↑普通のピットですね。
右上に、「UR牛巻」と漢字で書いてあるのは、ややレアですけど、
まあ、全体的に普通な外観と言っていいでしょう。

しかーし!
ここの特徴は足元にあり!
敵は本能寺にあり!みたいなノリですみません。


















↑ほらっ!
1階のアーチと屋根がどことなく馬具っぽいデザイン。
これ、ありそうでないです。






















↑斜め具合といい、アールといい、
公団は、素っ気ないようでいてデザインを付けてきます。
しかし、過剰な装飾性を帯びることは絶対にないという奥ゆかしさが、
公団のツイコリ鑑賞の醍醐味なのです。

いや、単に限られた予算と容積率の中で頑張った結果、
中途半端なデザインしかできなかったのかもしれませんが。

しかし、鑑賞する側としては、その方が返ってクドさがなくて、
味わい深かったりします。



















↑便利!
ポストもATMも、団地の1階にあるなんて、便利すぎるー!

ってそうじゃなくて。
郵便標識がひっついてる柱がエレガント!
軒を支えるたわんだアールの曲線美がたまらないですね。























↑吹き抜け内には、和洋折衷の石庭が!
レンガと玉砂利の組み合わせは斬新ととれますが、
思いつきな感じも微妙に漂っていて良いですね。

まさに公団お家芸、「土木と芸術の狭間をゆく造形」ですね。
曲線の組み合わせ具合いからして、個人的にはデザイン性が高いと思います。


















↑謎のオブジェとらくがきこくばん。
各階の渡り廊下に、こういうプレイロットがありました。
壁にらくがきされるのを未然に防ごうという、涙ぐましい工夫かな。























↑和洋折衷石庭を見下ろす!
蛇行するアマゾン川を上空から見たような感じです。
いや、石狩川か、はたまた釧路湿原か!
・・・どうでもいいですね。

ま、まあそれなりに壮観なのでした。


とにかく、足元に特徴のある、公団牛巻団地のツインコリダーでした。

以上。