2009年5月30日土曜日

市営新北島住宅



ツインコリダー数:4棟
大阪市住之江区新北島4丁目
昭和48年築

先日紹介した市営平林南住宅から南東に少し行ったところにあります。
上の写真には3棟しか写ってませんが、茶色の住棟が2棟、白い住棟が2棟、合計4棟のツインコリダーのみから成る団地です。

さて、今回もまずは側面から見てみましょう。



↑1棟の北側面です。
1棟と2棟は茶色い住棟です。北面の側面は凹んでいて、奥の壁面が白地に茶色のボーダー模様になっており、スッキリした印象です。
住棟番号は、平林南と同じワイヤーフレームです。



↑こちらは、2棟の南側面です。側面は1棟と全く同じなので、1棟の南側面も同じようになっています。
南面は、平林南と同じように面がフラットになっています。が、隔階にピロティというか、共有バルコニーのようなスペースがあり、植物が植えられています。



↑1棟南側面の下階部分です。
マッシブなコンクリート造形の中に咲く花が素敵です。



↑1棟の吹抜けです。
両端に物置が置かれており、フロアにはレンガのテーブルとベンチが配されています。
そして、1階廊下の中央に出入口があり、これは2~4棟にはありません。
1棟と2棟の大きな違いはここにあります。
両サイドだけでなく真ん中に入口がある住棟の方が、住戸アクセスは良いと思います。



↑1棟の吹抜け、お約束のビューも載せておきましょう。
非常にシンプルな北側面内側の壁面です。
シンプルであるが故のパターンの美しさがあると思います。

では、南側面内側はどうなっているかというと・・・



↑こうなっています。
各階の白い枠の中が外まで見通せるようになっています。
この構造は、通風と採光の面で効を奏しており、デザイン的にも変化があって良いと思います。
これは2棟の写真なのですが、南側面内側の壁面に関しては1棟と全く同じです。

しかし、1棟の写真と比べてもらうと分かりますが、この2棟は、フロアの様子が全く違っています。
物置が列を成している!
どうやら、棟ごとに自治会が違うようで、その棟の住民の方針によるのだと思いますが、1階フロアの見通しという面では、これはどうかと・・・。



↑1棟の西側正面です。
しつこいですが、1棟と2棟は茶色です。



↑そしてこちらが、白い3棟です。
しつこいですが、3棟と4棟は白が基調になっていて、外観が同じです。



↑3棟の北側面です。例によって、凹んでいます。
1階部分に白くせり出した屋根つきのアプローチがあります。
この内部はなかなか広く明るく、ベンチがあったりして、ゆとりを感じます。
おそらく、1・2棟が古くて3・4棟が新しいのだと思います。



↑4棟の南側面です。3棟も同じタイプです。
とにかく、お洒落な印象を持ちました。
隔階でバルコニー的な共有スペースがあるのは、1・2棟と同じなのですが、配色に白が用いられ、デザインに洗練が感じられます。
そしてやはり、植物が良いアクセントになっていると思います。



↑昭和49年の未来観を感じます。レトロフューチャー的。



↑4棟の吹抜け内部です。
とても明るい吹抜けです。
大胆に樹木が配されているあたり、1・2棟からの進化が見られます。
その他のレンガ調のテーブルやベンチなどは、1・2棟と同じタイプです。
が、側面内側の壁面は、1・2棟と異なっています。
こういうディテイルの違いが、ツインコリダーの面白いところです。



↑こちらは3棟の吹抜け内部です。
なんとこちらは、植わっている木が違います。
トロピカルな樹木で、微妙にリゾート感が出ています。

↓それにしても明るい吹抜けです。


以上、市営新北島住宅でした。

2009年5月24日日曜日

市営平林南住宅



1号館
大阪市住之江区平林南2丁目
昭和49年築

いきなり渋いところから行きます。
が、基本、取り挙げる順番に特に意味はなく、気まぐれに選んでいくつもりです。今のところ。



↑まずは南面の側面。
3列のマス目が規則正しく並べられているようなデザイン。
このタイプの側面は、他に見たことがないです。
住棟番号が細いワイヤーフレームというのも珍しいです。

ツインコリダーというのは、吹抜けに面する2本の廊下が一対という構造が共通しているが故に、どれも同じような形というイメージを持っていたのですが、実際に足を運ぶうちに、ことディテイルに関しては、異なる団地間で同じということはほぼないというぐらい、バラエティに富んでいることが分かってきました。



↑住棟内部へのアプローチは、シンプルな二段構えの階段になっています。
入り口は二手に分かれていて、それぞれ二本の廊下につながっています。



↑こちらは、北面の側面。凹んでいます。
南面の側面がフラットだったのに対し、北側は凹面になっています。
この特徴は珍しくありませんが、両面で同じタイプの側面になっているツインコリダーもあります。
このあたり、地域によって多寡があるのかなど、公団・市営・府営・県営・公社などの供給主体によって違いがあるのかなど、今後、注視していきたいと思います。



↑同じ北面側面の下階付近です。
こちらは、入り口の開口部が中央にあり、左脇にスロープのアプローチがあります。
南面にスロープはなかったので、いささか不便かもしれません。



↑吹抜けの空間はこんなふうになっていました。
ツインコリダーを見学していつも驚くのは、中に入った瞬間です。
この平林南は、植栽とベンチが配された中庭になっていますが、団地によって用途が全く異なっていたり、ディテイルに変化があったりして、面白いのです。



↑吹抜けを見上げる。
このアングルのビューは、ツインコリダー鑑賞の醍醐味の一つだと思います。
この住棟は、あまり長大ではないので、こじんまりしています。



↑傘がシュールです。



以上、市営平林南住宅1号館でした。