2010年10月30日土曜日

都営東雲二丁目アパート
















東京都江東区東雲
ツインコリダー数 : 2棟
形状区分 : 扇形 / 片面ピット
供給区分 : 都営
築年代 : 昭和50年

落ち着き払った佇まいの、良いツイコリですね。
悪いツイコリがあるんかい!と言われると、無い!と断言しますが。
でもこのツイコリ、普通じゃないところがあるんです。
まっ!奥さん!フツーじゃないんですって!
人は見かけによりませんものね、おほほほ。

ちょっと寄ってみましょう。
















↑シンプルな妻側ですよね。
うん、これはこれでイイ。高層の「団地」って感じがしますよね。

でも、ちょっと待ってください。
屋上のラインを見てください。
















 ↑ なんか傾斜してますね。
そう、壁面が中央に向かって傾斜してるんです。
ポイントが微妙すぎるわ!バーロー!
なんて言わないでくださいよ。
これが住棟の形状に大きく関わってるんです。

では、内部の吹き抜けを下から見上げてみましょう。























 ↑すてき!ブラボー!スパシーバ!
これはやられますよね。
そう、つまり扇形のツインコリダーなのです。
この形にするために、妻側の壁が傾斜していたわけです。


↑トレビアン!神々しい。
そのまま天に召されそうですよね。
見ていると、背中に羽根が生えてきそうな気がします。
天国に続くツインコリダー。
















↑無駄に遠近感がつきますね。
端っこの人はさぞ、エレベーターホールが遠くに感じられることでしょう。

次、さっきとは反対側の妻側を見てみましょう。
















↑かなりガードが堅い感じですね。
多い日も安心!全部受け止めてみせますわっ!
みたいな意気込みを感じます。

せっかくですから、ピットのお約束ビューも見てみましょう。
















↑うん。やっぱりこの眺めは好きです。
末広がりの縁起の良さも感じますが、やっぱりがっちり受け止める感じがすてきです。
がっちりマンデー。























↑そこはかとなく脚線美を感じます。
どこが脚線なのかと言うと、優美に並ぶ階段がです。
宝塚のレビューみたいな。

東雲というと、キャナルコートCODANとか、東雲二丁目第2(タワー)とか、
派手な綺麗どころが多いんですが、こっちも地味で渋めなのに萌えポイント満載でいいでしょ?

というわけで、都営東雲二丁目アパートでした。

2010年10月26日火曜日

府営摂津南別府住宅

大阪府摂津市南別府町
ツインコリダー数 : 2棟(住棟番号は1~4)
形状区分 : 片面ピット / 複数棟連結型 / 渡り廊下型 / スキップフロア
供給区分 : 府営
築年代 : 昭和48年


別府と書いて、ベフと読みます。
なんかパッと見、普通のツインコリダーですよね。
普通のツイコリって何やねん!
というつっこみは置いといて。

ちょっと寄って見ましょう。


















↑かっこいいですけど、まあ普通のツイコリの妻側ですよね。
住棟番号が左右で分かれているのは、珍しいですけど、
ここだけってわけじゃないです。
ピットの奥もちょっと複雑な感じですけど、まあ普通ですよ。
何が普通かは置いといて。

では、内部を見てみましょう。


















↑えええええ!!何これ!?何なのこれ!?
これ、どういうことなのっ!?ちょうかっこいい!



















↑つまりはこういうことです。
エレベーターの停止階が各階じゃないんです。
つまり、廊下も各階にはない、スキップフロアー型なんです。


別アングルでもう一度見てみましょう。


















↑ツイコリで、しかもスキップフロアー!
たまらない造形美を見せてくれます。


















↑渡り廊下に、ささやかなプレイロット発見。
遊具というか、椅子ですね。
動物達の頭部が大変なことになっています。


















↑うーん、イイ!惚れます!
見ていると、玄関はどうなってるの?という疑問が湧いてきますよね。
住戸の玄関は、階段室があって、2戸イチで向かい合ってるんです。
うっかり、写真を撮るのを忘れましたが。

ちなみに、このツイコリ+スキップフロア型は、大阪府営堺戎島住宅と
大阪府営岸部第一住宅にもあります。
この3箇所以外では見たことがありません。


あと、ここはオプション的に、住棟以外の萌え要素があるので、見てみましょう。


















↑プアーン!
なんと、ツイコリから新幹線が間近に見えるのです。
言っておきますが、僕は鉄ちゃんではありません。
 
















↑プププアーン!
さらに、こんなアングルでも見られたりします。
川の向こうにすてきなスキップフロア住棟(府営南江口住宅)が見えますね。
言っておきますが、僕は鉄っちゃんではありません。


















↑ぴゅあーん!
ツイコリと新幹線のコラボです。
もはや何のブログか怪しくなるので、このぐらいにしておきます。
しつこいようですが、僕は鉄ちゃんではありません。


い、以上、府営攝津南別府住宅でした。

2010年10月21日木曜日

公団金町駅前団地

















東京都葛飾区東金町
ツインコリダー数 : 2棟
形状区分 : 両面ピット
供給区分 : 公団
築年代 : 昭和43年

な、なんとここ、公団のツイコリとしては最古なんです!
いやまあ、僕が知る範囲でなんですけどね。おそらくここが最古。

位置付けとしては、公団の面開発市街地住宅の最初期モノの一つです。
面開発市街地住宅(略して面市)とは、都心に近いエリアの工場跡地を利用して、
3ha以上の用地に、複数棟の高層住棟(14階建前後)を並べた公団住宅のことを言います。
一棟建ての一般市街地住宅のような点ではなく、水平・垂直両方向に対して面的に
開発したことから、面開発というわけです。
この面市は、名古屋の又穂団地(昭和42年6月完成)、大阪の森之宮団地(昭和42年8月~翌年6月完成)、そして東京のこの金町駅前団地(昭和43年完成)、の順に建てられました。
どれも素晴らしい団地なのですが、ツイコリがあるのはこの金町駅前団地だけです。
よって、ここが最古なんですねー。たぶん。
面市以外で公営住宅とかでもっと古いツイコリがあるかと問われると微妙なんですが、今のところは確認できてません。

以上、歴史の時間しゅうりょー!
字ばっかりでつまんねーんだよ!コラ!
という方、どうかご安心を。
ここから先は、平常運転、写真メインにやっていきますよってに。


















↑どん。かっこいいです。マッシヴですね。
落ち着いた妻側のブラウンカラーといい、深々と切れ込んだピットといい、
バルコニー面にズラリと並ぶひさしのテクスチャー感といい、
どれもこれもがエレガントです。
新しい住棟タイプへの公団の気概が感じられます。

次に、妻側の足元を見てみましょう。


















↑これまた優美な足元なのです。
ピット両サイドの白い柱が、足元だけ膨らんでいて、豊かさを感じます。
ここが真っ直ぐでないのが、当時の公団の心憎いところです。
紳士淑女は足元から美しく。

次は、ピットを下から見上げてみましょう。


















↑アムロ、行きます!的な、発進したくなりそうなビュー。
幅といい、深さといい、申し分のない素晴らしいバランスです。
これぞ、ピット・オブ・ピットですね。

次は、吹き抜け内部を見てみましょう。


















↑さすがです。
何がだよ!ってつっこんでください。
最古なだけあって、ツイコリとしては原始的なのです。

まず、1階に廊下(住戸)がある!
公団のツイコリは、1階に住戸がないことが多いのです。
その理由は諸説あるのですが、それはさておき、
ここから公団が模索していったことが分かるわけです。

次、腰壁が高いコンクリートである!
これも原始的な特徴です。
一般的なツイコリは、廊下の腰壁はコンクリよりも、スチールやアルミの柵やパネルを
使った欄干になっていて、採光を多くして圧迫感を緩和しています。
ここは全て分厚いコンクリなので、廊下の開口部が小さくなって、住戸が奥に引っ込んだ感じになってます。
それが逆に奥ゆかしかったりするのですが・・・。
まあ、廊下の中に行くと、意外と明るかったですけどね。

って、また字が多いじゃねーか!コラ!
とお叱りを受けそうですが、すみません。
何しろ、ツイコリ界の重要文化財なもので、ついつい説明が長くなってしまいます。


















↑すばらしい。ハラショー!
何というシンメトリーでしょう。すてきです。
面を成す材が全てコンクリートなので、他のツイコリにはない、
古式豊かな雰囲気を醸してくれています。

写真がソフトフォーカスなのは、ガラス越しに撮ったからです。
ガラスマジックリンを持って行けばよかったと思いました。
まあ、思っただけですが。

次は、別の住棟の妻側を見てみましょう。


















↑なんと、片方が突き出ている!
絶妙なバランスです。ぐいっとやってくれましたね。
両方が長いと圧迫感が出ますし、両方が短いと淡白になります。
やはり初期の心意気ですね。

ちょっとアングルを変えて、引いて見てみましょう。


















↑か、かっこいい!
どうだ!と言わんばかりに、ぐいっと突き出ています。ぐいっ!ぐいっ!
スカイランがいいですね。初期ゆえの素朴な力強さがあります。
それも投げやりな素朴さではなく、品性と優美さを感じます。
なんてすてきな1号棟なんだ・・・。
なんてすてきにジャパネスク。


















↑ズオォォーーーン!!!!
思わずヘンな擬音を口走ってしまいます。
この面も金属の欄干(手すり)がなくて、オールコンクリート。
そして、いちいちひさしがあるので、この景観になるわけです。
細部に装飾性がない分、この整然としたテクスチャー感が出るわけです。
た、たまらん。

最後に銘盤を見てみましょう。


















↑り、立体銘盤・・・。さらに無駄に石垣・・・。
明らかに凝りすぎです。
ここまで凝ったツイコリの銘盤を見たことがありません。

念のため、アップでも見てみましょう。


















↑やはり、異様なまでに凝っています。
ただ、ツイコリの表現がちょっと甘いような気もしますが、そこはご愛嬌。
立体工作のクォリティ自体は、目を見張るものがあります。
やはり、当時の公団は面市という新しい試みに燃えていたのでしょう。


というわけで、公団金町駅前団地でした。

2010年10月18日月曜日

県営河原町団地
























神奈川県川崎市幸区河原町
ツインコリダー数 : 4棟(連結型は吹き抜けの数を勘定)
形状区分 : 両面ピット / Y字型 / アトリウム型(都市内包空間構造)
供給区分 : 県営
築年代 : 昭和45~49年

今回は神ツイコリです。
バルタン星人の頭みたいな、宇宙的な外観を持っています。
それにしても、何ですか、このメガストラクチャーは!
どこをどう見ても、かっこよすぎます。

もうちょっと寄ってみましょう。

















↑どーん。
えっ?何これっ?中はどうなってるのよ!?
ねえっ!これどういうことなのっ!説明してちょうだいっ!
って、慌てないでくださいね。
今お見せしますから。

















↑か、かっこいいにもほどがあるっ!
まるでサイド7、スペースコロニーのようです。
この空間は、建築家 大谷幸夫氏の設計によるアトリウム(都市内包空間)
というもので、公共の集合住宅でこれがあるのは世界でもここだけなんだそうです。はい。
大谷幸夫氏は、丹下健三研究室に所属した後に独立して大谷研究室を作り、
その時にこの河原町団地を設計したそうです。
これ豆知識ね。てへっ。

このアトリウム、正直、何度見ても鼻血が出そうなぐらい萌えます。


















↑これ、団地なんですよ!
斜めに廊下がせり出しているなんて、すてき過ぎて声も出ません。


















↑地球の住居とは思えません。素晴らしすぎて卒倒しそうです。
これが昭和40年代後半に建ったわけです。
何というオーパーツ的デザイン。時代を突き抜けてます。


















↑こんな廊下、見たことない!すてきすぎます。
斜めに突き出た柱が列を成す造形がたまりません。

そして、アトリウムを下から見上げると・・・・























 ↑巨大な梁(はり)の上に広がる、
天空へと連なる吹き抜け、まさしく、ツイン!コリ!ダー!
神々しさすら漂います。


















↑アトリウムの上はこうなっているのです。
スパーン!という音が聴こえそうなぐらい、真っ直ぐなビュー。
白亜のツインコリダー、美しいです。


















↑アトリウムの外観は、階段上のバルコニーになっており、
これまた変化に富んだ素晴らしい造形なのであります、大佐!

というわけで、今回の記事は、書きながら興奮を隠しきれませんでした。
って、隠すつもりだったのか!

この河原町団地は、市営の住棟もあり、そちらも素晴らしいのですが、
それはまたの機会に紹介しましょう。

以上、県営河原町団地でした。 












2010年10月15日金曜日

公団高島平団地

















東京都板橋区高島平
ツインコリダー数 : 5棟
形状区分 : 配管うにょ~ / ダストシュート有 / 渡り廊下型
供給区分 : 公団
築年代 : 昭和47年

高層住棟で構成されたものとしては、初めての都心型マンモス団地。
ここはツイコリ以外にも、素晴らしい高層住棟がたくさんあります。
もちろん、ツインコリダー的にも聖地なのであります!隊長!

まず、上の形状区分に「配管うにょ~」って書いてますが、
配管うにょ~って何なのよ!奥さん!そんな言い方認めませんわっ!

ま、まあ詰め寄らずに、落ち着いて次の写真を見てくださいね。

どーん。






















↑これですよ。配管がうにょ~。
何なんでしょう、このデススターの内部みたいなのは。
ドームみたいなのがありますね。
中でダースベイダーとルークスカイウォーカーが戦いそうです。
このSF的景観に、グッと来るわけですよ!























↑今度は上から見ました。
落下防止の金網が幾重にも張り巡らされています。
こんなに厳重なツイコリは、僕が知る限りではここだけです。
これはこれで、ブレードランナー的なそそられる景観なのであります。

もういっちょいきましょう。























↑た、たまらん!
このウニョ~な複雑な配管が、何度見てもたまりません。
縦の配管の下を横の配管がくぐったり乗り越えたりしてます。
ちょーかっこいい!としか言いようがありません。

わかっていただけましたでしょうか、奥さん。
いや別に、奥様向けのブログというわけじゃないですが、
そこはノリということで・・・。


















↑現役のダストシュートです。
昭和30年代物のレトロな侘び寂び漂うものとは違って、
メタリックです。70年代のR2D2的なSFテイストを感じます。
それが言いたかっただけです。

あと、注意看板の「捨」の字だけが赤いのも、
強調の仕方が微妙で好きです。























↑ツイコリの妻側です。
妻側って何?とよく訊かれますが、団地妻とは関係ありません。
まあ、側面のことです。
そのうち別ページで詳しく説明を試みる・・・かもしれません。

で、この妻側ですが、かっこいい!
縦に列をなす窓の、頑ななまでに装飾性を排除したストイックさ。
そして、渡り廊下の開口部にしつこく張り巡らされた、
落下防止用の柵も、設置当初は切実な事情がありましたが、
今となっては他にないデザイン、個性だと僕は思っています。

そして、住棟番号。
東京でよく見られる、2-33-7という3連番も心憎いですが、
これもやはりメタリックな質感が良いですね。
そして、数字の下の3本のラインがオサレ!
これがあるのとないのとでは、妻側全体の印象が違います。


















↑ツイコリ住棟上階から望む、高島平団地の景色。
緑あふれる素晴らしい団地なのです。

今回紹介した写真は、去年行ったときのものですが、
ここは近いうちに、もう一度行きたいと思います。

以上、公団高島平団地でした。