2010年12月28日火曜日

公団泉北原山台一丁団地

















大阪府堺市南区原山台一丁
ツインコリダー数 : 2棟
形状区分 : 両面ピット / ヒートシンク型
供給区分 : 公団
築年代 : 昭和50年~平成2年
 (ツイコリ棟は特徴から推察するに、平成ではないと思われる)

泉北ニュータウンにあるツイコリです。
屋上の塔屋に、「5-3」という表示がありますが、
5年3組ではありません。
って、まさか全世帯に小学5年生の子供がいて、全員3組とか、
どんなけ巨大クラスなんだよ。
僕は5年1組でした。(どうでもいい)

5番地の3号棟という意味らしいです。
泉北ニュータウンの住棟番号の付け方の特徴らしいです。
郵便屋さん思いの心温まる優しい付番方法ですね。

さて、この泉北原山台一丁団地のツイコリですが、
ストイックに連続する凹凸ディティルが素晴らしいのです。

では、妻側から見てみましょう。















↑ストイック!
妻側壁面の両サイドに、バルコニーと廊下の床がはみ出していて、
独特の面倒くさい造形になっています。
パソコンの基盤上に付けるヒートシンクみたいに見えるので、
僕は勝手にヒートシンク型と呼んでいます。


















↑これがヒートシンク(電子部品の放熱器)。
いろんなタイプがあるけど、大体こんなイメージです。

それでは正面から見てみましょう。






















↑ねっ!ヒートシンクっぽいでしょう?
ピット中央のメタリックな感じも、それっぽくてすてき。


















↑エレベーターがかわいい!
柱にエレベータが埋め込まれてるみたいな感じ。

では、内部の吹き抜けを見てみましょう。























↑やはりストイック!
これでもかと、四角ばっかりです。
梁の間隔が均等じゃないのが良いです。


















↑連続性のもたらす静謐さ。
それに気づくとき、人は思わず息をのむのです。

って、何ポエティックになってんだよ。























↑2号棟と3号棟がツイコリです。
で、公団にしては珍しく、2つの棟が近接してるんですよね。

って、ことは・・・





















↑惜しいっ!実に惜しいっ!
スカイクロスビューにはならないんですよね、これが。
公団は住棟をズラして建てる性癖があるので、正対しないわけで。
しかし、これはこれでアシンメトリーな美しさがあります。























↑たまらん。何て面倒くさい造形なんだ!
リアス式海岸ばりの面倒くささ。
この面倒くささこそが、ヒートシンク型の真骨頂。


















↑凸凹を指でなぞりたくなります。
あー面倒くさい。
たまらん。


以上、ストイックなヒートシンク型ツイコリを擁する、
公団泉北原山台一丁団地でした。

2010年12月19日日曜日

都営白鬚東アパート
















東京都墨田区堤通
ツインコリダー数 : 1棟(連結部で分けてカウントすると2棟)
形状区分 : 片面ピット / その他特殊すぎて分類不可能
供給区分 : 都営
築年代 : 昭和50~54年

超ド級戦艦ロボみたいなツイコリです。
超ド級戦艦ロボって何だよ?w

ここ、都営白鬚東アパートは、防災団地として超有名で、
ここを扱ったWEBサイトは多数あるので、防災機能についてのウンチクは、
他サイトに譲ります。

あと、この団地は、全長約1kmに渡って住棟がいくつも壁のように連結されています。
このブログでは、その一部であるツインコリダー部分のみを情熱的に紹介します。

おそらく!
都営白鬚東アパートをここまでニッチに注目したサイトはないでしょう。

とはいえ、ツイコリ的にグッとくる萌えポイントがこんなにたくさんあるのに、
紹介しないわけにはいかないじゃないですか。
ツイコリストとして。

というわけで、怒涛の40枚、行きます。
今回はいつもの4倍近くの長さの記事になるので、ご留意願います。
















 ↑ドバーン!何なんだこの壁のような巨大ゲートは!
右側のツイコリに連結されています。
左側には、 片廊下型の住棟が連結されてますが、興味ないのでパス(爆)。
















 ↑ゲートの裏側、ツイコリとの連結部。
こんなもんで驚いてたら身が持ちませんよ。
いや、これはこれで凄いですが。

それでは、ツイコリ部分をじっくり見ていきましょう。
















 ↑どーん。どこをどう見ても特殊!
2棟が真ん中低層階のオレンジ色っぽいデッキで連結されている、
変則ツインコリダーなのです。

その2棟の連結部を見てみましょう。
















↑ババーン!これでもか!
と、やりすぎな連結部です。

奥は、緑色の鉄骨渡り廊下(しかもスキップフロア)で連結!
手前は、オレンジ色のペデストリアン風なデッキ&避難ゲート(鐘淵門)と
レンガ造りの階段で連結!

傾斜した廊下の造形といい、
低い位置にある住棟番号といい、
まさにやりたい放題!

では、その連結部をアップで見てみましょう。






















 ↑何ですか、この豪快なゲートは!
よくわからんが、まさに、防災団地!
ヘブンズゲートかヘルゲートか。

そして、右脇の階段が気になる!
ので、見てみましょう。



















↑おお。えらい登ってるよ!
まあ、非難経路なんだろうけど、
こんな団地、他にないってば!























 ↑それにしても、いかつい!
ここをくぐった先に、閻魔大王様が鎮座してそうなぐらいに。























↑ねっ!いかにもでしょっ!
ここがいかにも、審判の門である!
とか、仁王様が出てきて言いそうなぐらいに。

って、防災の観点が欠落気味な僕が、好き勝手言っていますw
そういうブログですよってに。

それではお待ちかね、住棟内部、吹き抜けを見てみましょう。
















↑かっけー! 電子基盤みたい!
何なの、あの傾斜した廊下の整然としたライン!
奥の横長の窓といい、未来感出しすぎでしょう!

では、正面からシンメトリーに見てみましょう。
















↑トレースオン!ズキューーン!
すみません、アレゲなネタで。

やばいですね、これは。
かっこよさイナズマ級、たまらないです。























 ↑見上げれば、ひたすらストイック。
斜めになってる廊下のラインがやはりすてきです。
















↑吹き抜け1階の風景。
未来警察ウラシマンに出てきそうな風景。

それではここで、ピットを持つ妻側の外観を見てみましょう。


↑やってくれますね。期待を裏切らない!
深いピットといい、手前と奥の丸い配管といい、
隈なく施された凹凸といい、グレートです。
















 ↑ちょっとアングルを変えると、表情が変わる!
凹凸の多い造形物の醍醐味です。
















↑狙い澄ましたかのような造形。
何なんでしょう、このかっこよさは。
何なんでしょう、この煙突?2本は。
何なんでしょう、この赤い天井を突き抜ける階段は。























↑意味は分からないけど、アツイ!
質感というより量感の訴求力。
















↑オリジナリティありすぎなピット。
昭和40年代後半から計画が始まった都営住宅ですよ、これが。
ワザととしか思えない!
いや、何をどうワザとなのかは置いといて。























↑パイプ3兄弟。
真ん中が次男ということだけは間違いない!

しかしこれは、何のための配管なんだ。
給水管にしては太すぎというか、こんなの見たことない!
人が行き来できるチューブだったりして。
SF的妄想が膨らみます。

次、せっかくなので、内側を登って見てみましょう。
















↑ブラボー!
視界一杯に広がるパノラマ。
シンメトリーに伸びるイナズマラインがちょうクール。

右上に見える東京スカイツリーなど知ったことか!
















 ↑イナズマラインを内側から!
この開口部はちょうイケてますね。
で、さっきからイナズマラインって何なんだよ。
















↑でね、気になるのがさっきからちょいちょい出てきてる、
オレンジ色(肌色っぽくもある)の連結デッキなんです。
ブリッジとも呼べそうだけど、便宜上、連結デッキと呼ぶことにします。

というわけで、連結デッキへ、行ってみよう!!(声裏返ってる)
















↑おお。近づいてきた!
鉄のスロープがあったりして、気分は盛り上がります。

って、早く行けよ。
















↑じゃーん!連結デッキ上部はこうなってました。
下に降りる階段が何やら物々しいです。























↑もの凄いダンジョン感!
これは降りるしかないでしょう、勇者カポよ!
















↑オラわくわくしてきたぞ。

って、だから早く降りろよ。
















 ↑降りました。
腰壁が低いせいか、開口部には鉄格子がはまっています。
















 ↑おおお。って、踊り場?
この空間は一体何のためにあるんだ?

そもそも踊り場は、なぜ踊り場というのだろう?
踊り場で一体誰が踊るというのだろう?
階段と階段の間にある平らな場所が、踊り場。
階段には段差がある。
段差・・・ダ、ダンサー!?

すみません、ほんまにすみません。
















↑なんだなんだ?
連結デッキのこの階からは、一気に地上に降りられる階段がありました。
とりあえず、避難経路なのかなー。
それにしても長い階段です。
















 ↑手すりの折れ曲がり感がイイ!
レンガはガチではなさそうです。

次、一旦地上に出て、もう一度吹き抜け内に行って見ましょう。
















↑ファンタスティック!
数少ない、緑化に成功したツイコリの吹き抜けだと思います。

ツイコリの吹き抜け内は日照量が少ないので、
高木を植えるべきではないと、常々僕は思います。
無理に高木を植えると、ひょろっとしか育たないので、
貧相というか、切ない景観を生んでしまうのです。

ここは、低日照でも生育する、低木や下草類を植えているので、
正解だと思います。
















↑直角に曲がるレンガ調の通路と緑が見事に調和していて、
モヘンジョダロのようです。

モヘンジョダロがどんなのか、詳しくは知りませんが。
















↑手すりの質感がいいですね。
無駄に背景をぼかして、コンデジではないところをアピールしてみました。
















↑非常電話!
防災団地感を醸すアイテムが、そこはかとなく配置されていました。
















↑防火扉に炎のマーク!
さすが防災団地。
これぐらいはあたぼうよ!と言わんばかりに、
強調したいポイントがさり気なく配されています。























 ↑シェルター感のある扉!
鋼板が3枚貼り合わせてあるように見えます。
















↑それにしても、仰々しい!
魅せるために造ったものではないからこその、迫力があります。























↑でかいなー、でかい!
特注にもほどがあるというレベルの扉ですね。
上部の梁が納まるように穿ってあったり。
あと、下部にあるハンドルが気になりますね。
















↑ハンドル回したいよー!
回して扉を開閉してみたいです。
勝手にそんなことできないように、鎖が掛けられてますね。
















↑ここにも非常電話が!

防災感たっぷり、造形の魅力たっぷり。
お腹一杯になる都営白鬚東アパートなのでした。

以上。