静岡市駿河区東新田
ツインコリダー数: 2棟
形状区分: 唯一無二
供給区分: 市営
築年代: 昭和53~54年
撮影: 2012年4月
静岡が誇るべき、唯一無二のツインコリダーです。
よくぞここに造ってくれました。
ちょっとツイコリに詳しい人が上の写真を見れば、
レアな形状をしてることは分かると思いますが、
全国的に見ても唯一無二であろう特徴の多い、素ッ晴らしいツイコリなのです。
「ちょっとツイコリに詳しい人」が世界にどれぐらいいるのか分からないけども。
ともあれ。
その唯一無二であろう点を挙げておきます。
1.ロケーション
2.妻側立面の形状
3.V字アクセス階段
4.住棟内アニマルライド
他にも細かいディテイルに関しては、ここだけだろうなーと思う箇所が幾つもありますが、
特筆すべき大きな要素は以上の4つですね。
まずは、特筆すべきそのロケーションの良さから紹介しましょう。
↑富士山と並び立つツインコリダー!
ツイコリ鑑賞におけるロケーションの良さというのは、住む都合とは関係ないです。
駅からの距離とか、スーパーが近くにあるかとか、学校が近いかとか、
んなことはどうでもよろしい。(えらそうに)
要は、鑑賞的に美しいロケーションかどうかということです。
つまり、よい「ツイ景」が見られるかどうかということです。
このサイズの富士山とツーショットのツイ景が見られる団地は、おそらくここだけでしょう。
ただ、この周辺には高台がなく、上のような富士山とのツーショットビューが得られる場所を探すのには苦労しました。
僕としては、この素晴らしいロケーションを生かすために、駅の近くに富士山とツイコリを鑑賞するための展望塔を作ることを提案したいです。
まあ、無茶なのを分かってて言ってますが。
↑ブラボー!ツイコリの階上からの眺望。手前の川は安倍川。
こんなに素敵に富士山が見えるツイコリも、ここにしかないでしょう。
周囲に高い建物がないことも、よいツイ景と眺望が得られる要素の一つですね。
では、2つめの特筆すべきユニークなポイント、妻側立面を見てみましょう。
↑いやー、ほんとにユニーク。
何をどこから申し上げればよいのやら。
まず、一番上に乗っかってるT字型の塔屋。
そして、その下の茶色い板チョコみたいなの。
そして奥まった右上に位置する住棟番号。
そして、11階までは透かし彫りのような開口部の奥に窓が。
どれも、他で見たことないです。
しかも、住棟番号なんて、近づいて見上げると見えないですからね。
なぜそこなんだと。
しかし、かっこいいという観点から見ると、ベストポジションかもしれない。。
マッシヴでかっこいいのだけど、なぜこんな奇抜なデザインなのか。
あまりにも奇抜なので、形に何か意味があるのではないか・・・。
そう考えると、何か意味ありげに思えてならないのだけど、
市や区のマークを象ってるわけでもないし、まあ分かりません。
タイムボカン的な形でもあるよね。ビートル的な。
いやあるいは、何かのスイッチのようにも見える。。
いやあるいは、機関車を正面から見た形のようにも。。
ともあれ、この形を頭にインプットしておいて、いつかこの謎を解きたいと思います。
っていうか、誰か教えて、えらい人。
では、次なる3つめの特筆すべきユニークポイント、V字アクセス階段を見てみましょう。
↑どーん。これですよ、このアクセスパターンは見たことない!(現時点では)
吹き抜けに面した妻側なんですが、普通はこういう階段は、最上階まで続いてるもんです。
それが、1階飛ばしにこうなっていて、ここから下の階へは別の階段室を使って降りるという構造。
これはもう、洋館のエントランスホールみたいなw
って、実際、この階段の手前は共用ホールになっていて、それなりに広い空間になってます。
↑かっけー!V字越しに吹き抜けを見上げるとこのビューですよ。
でまあ、こちらがV字ということは・・・
↑向こうから見るとこう見えるわけです。Vが並んでる。
こんなかっこいい正規アングル見たことない!
↑美しい廊下。緑の床に日が差してライトグリーンのラインに見えます。
何気に、楕円形の穴が空いたパネルも、見たことないタイプです。
レトロフューチャーなデザインでかっこいい。
では、4つめのユニークポイント、住棟内アニマルライドを見てみましょう。
↑えっ。
何を隠そう、さっきのV字階段を降りた先には、
こういう空間が広がってるわけです。野生の王国的な。
草原に動物がいます。
っていうか、住棟内にアニマルライドがいるのは超珍しいです。
1階ピロティにアニマルライドがいるパターンはまあよくあるのだけど。
公団玉串元町団地とか。
↑たぶんバクですよね、これ。
夢を喰う不思議な生き物、バク。
っていうか、バクのアニマルライドは見たことないです。
まあ、これは結構かわいいです。
↑ヤドカリとイルカ。って何だよこの組み合わせ。
っていうか、サイズがおかしくね?
ヤドカリ巨大過ぎじゃね?
いや待て。
ヤドカリ単体で見ればおかしくないんだ。
イルカと組み合わせて見るから、妙なサイズ感が出てしまうんだ。
巨大ヤドカリだと思い始めると、怖くなってくるけども。
夜になると廊下を徘徊するとか、団地七不思議的な噂があってもおかしくない。
子供の頃はそういった学校や団地の七不思議の噂に、妄想をふくらませて慄きつつも、楽しかったものです。(ここじゃなくて僕の地元の話です)
↑ハトとウサギとダックスフンド。だから何なんだ、この組み合わせは。
そしてやはり、ハトさんが巨大過ぎる。
いや、またがって遊ぶには良い大きさなんだけども、ダックスフンドと比べてしまうんだ。
あと、階ごとに全く違うアニマルライドがあるという、豊富さにもびっくりです。
何だこの、わくわく動物ランドは。本当にわくわくする。
↑テントウムシとカブトムシ。だから、テントウムシが巨大過ぎるってばよ。
何というか、ナウシカの王蟲をツルッとさせたような佇まい。
などと言ってしまうと、もっと巨大化してしまうという錯視感に見舞われるけども。
草原に集う王蟲たち。
↑何かこう、宇宙から来そうな感じ。。
かわいいとかいう次元を超越してるというか。
これはもう、クリーチャーとしては芸術的な造形ですよね。
他の階にも、ゾウとサイと巨大ガメとか、キリンとラクダと巨大クワガタとか、ハクチョウとアヒルとか、素敵なのがあったのだけど、記事が長くなるし何か違うブログになりそうなので、割愛します。
↑そこはかとなく階段室の窓に設えられた面格子。
面格子というのは、ほんとに心憎いやつだと思います。
普通に鉄格子にすると物々しくなるところを、こんなマルマルマルマルマル・・・にして、
雰囲気を柔らかくしてくれるわけで。
↑そして、素晴らしい太平洋のオーシャンビュー。
富士山が見える方とは反対側の妻側からの眺望です。
↑立派なタコさんスライダーは、子供達に大人気な様子でした。
それにしても、この団地には本当に感動しました。
まあ遠路はるばる大阪から在来線を乗り継いで行って、天気に恵まれたから気分が良かったというのもあるでしょうけど、改めて冷静に見て、ロケーションといい造形的ユニークさといい、傑作と言ってもいいツイコリだと思います。
天気と気候のよい時期を狙って、ぜひとも再訪したいと思います。
というわけで、唯一無二で素晴らしい市営東新田団地のツインコリダーなのでした。
以上。
大阪からはるばるご苦労様です。
返信削除この団地は13年前まで、外装のベージュ色の壁はありませんでした。
来るべき東海地震に備え、市が耐震工事を施工して、今の外観に至っています。
窓だけをくり貫いた外観の壁ができる前は、全てがレンガで覆われた、今よりスリムなけいかんでしたよ。
因みにこの団地ができた時には、その珍しさにテレビ取材も来た位で、なぜかサンバルカンまで来てました。
コメントありがとうございます!
削除お返事が大変遅くなり、申し訳ありません。
側面のいかつい外壁は耐震壁だったのですね。謎が解けました。
ツインコリダー型の大型住棟は、大都市郊外に建てられることがほとんどなので、こういったロケーションに建てられることはとてもレアだと思います。
なので、テレビ取材が来るのも頷ける話ですねぇ。そしてサンバルカンまで!(笑)
貴重な情報を本当にありがとうございます。