2009年9月21日月曜日

市営南新開荘



ツインコリダー数: 1棟
愛知県名古屋市瑞穂区新開町
昭和52~53年築 / 676戸

前回紹介した北新開荘から少し南西に行ったところに、あります。
北新開荘が7階建ての小住棟だったのに対し、この南新開荘は長大で、幅もかなりあります。
北と南とでこれほど規模が違うことの意図するところを知りたいです。
上の写真では、奥にもう1棟見えますが、それはツインコリダーではなく、片廊下住棟です。



↑この南新開荘の最大の特徴は、この側面のデザインにあると思います。
エアコンの吹き出し口のように、斜めに黄色い壁を並べたデザインは、市営らしからぬ懲りようだと思います。
僕が見てきた限りでは、名古屋の市営ツインコリダーは、公営住宅としては凝ったものが多いように思います。



↑側面下部の出入口付近も、このように統一感を持たせてあります。
北新開荘を先に見たので、サイズといいデザインといい、ギャップの大きさに面食らいました。
北新開荘と南新開荘とでは、場所と築年代が近いというだけで、他に何の共通点もないと思います。



↑バルコニー側です。
シンプルながらも、変化をつけたテクスチャーレイアウトだと思います。
中央に開口部があることから、内部の吹抜けが中央で区切られていることが推測できます。



↑つまりは、こういう構造です。
ちょっといい加減な図ですが、放水口を明示するのが目的のようなので、これで良いのでしょう。



↑吹抜け内部には、駐輪場がありました。
1階に駐輪場があるケースはよく見られますが、こちらは1階に住戸を配して吹抜けに駐輪場を設けてあります。
このパターンは、市営住宅に多く見られるのですが、設計上のネックになるのは、外部から駐輪場への導線をどう確保するかということだと思います。
ここでは、住棟中央を横断する通路から、スロープで導線を確保してあります。



↑住棟端側の開口部へのアプローチも、スロープが切ってあります。



↑そして、住棟中央の開口部も、きちんとスロープになっています。

つまり、この南新開荘は、吹抜け部の駐輪場への導線確保がきちんと整っているというわけです。
これは当然と言えば当然のことなのですが、僕が見てきた他のツインコリダーの中には、中央からの導線しかなくて端からのアクセスが悪いといったケースもありました。
このように、駐輪場への導線がしっかりと計画されているケースは評価に値すると思います。



↑お約束のビューも載せておきましょう。
窓の形と大きさに変化をつけた、個性的な側面裏側だと思います。



↑反対側の面は、市営らしくとてもシンプルです。

以上、市営南新開荘でした。

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