2012年2月10日金曜日

公団大幸東団地

名古屋市東区砂田橋
ツインコリダー数: 2棟
形状区分: 片面深ピット / 連結 / 吹き抜け内に植栽
供給区分: 公団
築年代: 昭和55~56年
撮影: 2011年3月


見ての通り、かなり変則的なツインコリダーですよね。
どう変則的なのかは、ひとまず置いておくとして。

僕は、怪獣のようなツイコリだと思うんですよ。

どこが怪獣かと言うと、





↑ほらっ!こんな遠くからでも目立つこと!いかついこと!
怪獣か使徒かというぐらい、迫力ありますよね。

そりゃ、道路標識も進入禁止を2本立てて道を阻むよね。
いや一方通行なだけだろうけど。

それはそれとして。
怪獣というのは基本、かっこいいと思うのですよ。

寄って見てみましょう。





↑ガバァー!(変な擬音ですみません)
いやもう何か、アギトって感じでしょう?

この廊下の凹凸感が歯のように見えるし、荒ぶる怪獣のようなダイナミックな造形だと。

それにしても、このやたらと数字の大きい住棟番号は何なの。
おそらく、住棟の迫力に負けない番号を付けようという志の高さの表れなのでしょう。
ほんとかよ。

いや確かに、この住棟には100番台がふさわしい気がしますね。




↑パッチワーク的なタイルのテクスチャー感の、趣深さよ。
たぶん、補修跡なんだろうけど、その時々で色目の似たタイルを貼りつけていった結果、
このアーティスティックなテクスチャー感が生まれたのだと推測してみる。

いやむしろ、テクスチュアと言いたい。
どう違うのか分からないけど、何となく。




↑何という大胆な住棟配置。
敷地を目一杯広く使って、ツインコリダー2棟を斜めに建てているという。
普通、ツイコリは南北軸配置で住戸を東西向きにして真っ直ぐ建てるんだけど。。

思うに、斜めに建てることで、外側に駐車場を広く作ろうという意図なんじゃないかなと。
あるいは、完全西向きの住戸を作らないようにしようという意図か。
どちらにせよ、僕には不可解なプランなのです。
いや、いいんだけど。かっこいいから。

それはそうと、109号棟がありますね。
名古屋のマルキューとはここのことか。(違)

そ、それとあと目をひくのは、右側の折れ曲がった103号棟とツイコリ102号棟の配置。
この2つの棟が、必要以上に近接してると思うのですよ。
だがそれがいいッ!(またカイジか)





↑ほらっ!テラかっこいいでしょ!
近いことの素晴らしさよ。
ちょ、おま、くっつくなよ!近ぇーよ!みたいな。

アングルを変えて見てみよう。




↑ほらっ!オルタナティブカコユス!(しょこたんすみません)

これぞ、空の深さを測ることができる造形。
そして、タイルの光沢に空と住棟が映り込んでいて、これがまた美しい。
ここの住棟配置を考えた人は、天才だと思う。
理解はされにくいだろうけど。

ともあれ、昭和50年代築の建物は、このテカテカなタイルが多くて大好きです。




↑はー美しい。思わず溜め息も漏れますよ、そりゃ。

空が団地を飾るのか、団地が空を飾るのか。
空に刺さるこずえは何を想い支えるのか。

ポエムりたくもなりますよ、そりゃ。
そりゃそりゃ。

では、ちょっと別の立面も見てみましょう。




↑1つの棟だけど、ツイコリ部と片廊下部が連結してできている住棟なのです。

それにしても、「物価2割下げます!」って。
さらなるデフレに拍車をかけようとは、恐ろしい子!

うん、分かってる。
この看板が長らくつっこみ待ちだってことは。
雨の日も風の日も来るはずのない誰かを待ち続けているんだわ、きっと。
だから、私が優しくつっこんであげるの。
そして今、万感の想いを込めて、な・ん・で・や・ね・ん!

って、妄想小芝居はこれぐらいにして。

この立面の見るべきところはそこじゃないのだ!(なら書くなよ)
見るべきは、バルコニーのカラーリング。
下層階はコーヒー色、中層階は薄いベージュ、上層階はホワイト、という3色のグラデーション。
地味に凝ってるのですよ。

上に行くほど色を明るくして壁のように立ちはだかる住棟の威圧感を緩めているわけで。
面積が広いだけにそういう効果がさりげなくも大きく出るのだと僕は思います。

そう、さりげなく美しいバルコニー面なのだ。


連結部も見てみましょう。



↑この蛇腹っぽい連結部は、デザイン性を感じますよね。
さりげなくこの部分だけにデザイン性を出すところが、公団らしくてすてき。


さあ、次は内部を見てみましょう。




↑ここまでいくとアートだよね。前衛的というか、抽象的というか。
さっきまでのさりげなさはどこへ行ったんだ、というぐらいの自己主張。

僕が公団のツイコリにおいて提唱する「芸術と土木の狭間をゆくオブジェ」という類いのものには
当てはまらなくて、これはガチで芸術表現的だと思います。

現場でおっさんが思いつきで作れるレベルではない!(キリッ

この大幸東団地では、他にも幾つかこのような住棟内モザイク壁画がありました。


では、吹き抜けを見てみましょう。



↑ひょろっと樹木。いわゆる庭園型吹き抜けです。
勝手に名付けておいて「いわゆる」もくそもないですが。

公団は、昭和44年築の大島四丁目団地あたりから、何とかしてツイコリの吹き抜け内を豊かな空間にしようと、樹木を植えたり石庭を作ったり、涙ぐましい模索をして大体裏目に出ているそれなりの成果を上げていると思います。ひょろっとしてても、彩りにはなるので。

前にも書いたけど、ツインコリダーの吹き抜けの1階は、どうしても光量が少なくなるので、
普通の樹木は、ひょろっとしか育たないんだよね。
やるなら、光量が少なくてもいい低木・潅木・下草類を植えるべきだと思うんだけど。。

まあ、石庭の侘び寂び感とか、何もない殺伐としたのも僕は大好きですが。




↑こちらは、わりと緑豊かです。だって吹き抜けじゃないから。
北側の深いピット部分で、吹き抜けよりは光が入るので、植物もそれなりに育つという。




↑こちらは別の棟(101号棟)のピット部分。
結構、しっかり木が育っていて、立体感のある庭になってますね。
動物とか出て来そう。


外に出ちゃったので、内部に戻ります。




↑基地みたいでかっこいい案内用平面図。各階のEVホールにこれがあるッ。
一見、部屋番号が書かれているのは親切だなぁと思いがちなのだけど、
よく考えると、このエリアの部屋番号しか分からないという。

でもまあ問題はないです。かっこいいから。



↑かっこいい!この数字のフォントといい、メカメカしいレトロ感といい。
1枚のプレートにエレベータ2基分の階数ボタンを並べるセンスに脱帽です。

これぞ、昭和50年代の未来指向デザイン。
このシンプルかつメタリックでメカニカルな雰囲気から、
おそらく内部の制御系統も、リレースイッチとかアナログな方式のままだと思われます。たまらん。

最近のエレベータは、やたら液晶表示にしたりしてますが、
ボタンの材質や形状など、逆に未来感に欠けるつまらないデザインが多いと思います。
この日本エレベーター製造さんの作品を見習えと言いたい。

そこまで言うか、何様だよ。




↑これはオサレさん。
バイクの色とか、狙ってるとしか思えません。
手前の多角形な腰壁のコーナー処理といい、ベンチとバイクとのコントラストといい、
住民がデザインに参加したと言ってもいいでしょう。

ほんとかよ。





↑正規のアングルも掲載しておきましょう。せっかくなので。

廊下の腰壁がストレートじゃないのも、パターン化された立体感となって、空間にサイバーなエフェクトを与えています。
いやーかっこいい。




↑シンボリックな針葉樹が、団地の格調を高めていますね。
敷地内も広々としていて緑が多いし、ここはまじ住んでみたいと思いました。
いや、不動産的に推奨する趣旨のブログじゃないので、純粋な感想として。


というわけで、見所多過ぎて大変な公団大幸東団地のツインコリダーでした。


以上。

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