ツインコリダー数: 2棟
形状区分: 両面ピット / 渡り廊下
供給区分: 市営
築年代: 昭和46~47年
外観はマッシヴ、内側はクール。
というのが、このツイコリの特徴です。
つまり、どこを見ても鑑賞的価値が高いということです。
まずは、外観をバシッと見てみましょう。
↑んんー、マッシヴ。(マンダムじゃないよ)
この存在感はただ者じゃないですよね。
三国志で例えると張遼ぐらいの存在感はありますよね。
山に囲まれた平地にドーンと佇むツイコリが2棟。
こいつぁー目立ちますぜ、旦那。
では、いつものように妻側を寄って見てみましょう。
↑ドーン!さすが張遼!(まだ言うか)
この妻側の何が良いかって、削り出したような壁面のコンクリの質感ですよ!
よく見ると、塗り込めたような凹凸があって、絶妙な寂寥感の中に明るさを湛えた、
もののあはれを感じずにはいられない壁面ではないかっ。
そして、壁面に影を落とす、ワイヤーフレームの住棟番号「1」。
「1」というのはただの縦棒、つまり究極のシンプル、侘びの極致を行く造形です。
ともすれば見落としてしまいそうな地味で素っ気ない佇まいが、美とは何かを教えてくれているような気がしてなりません。
アホみたいな話ですが、半分本気です。
(もう半分はふざけてるのかよ)
さらに、コーナーを面取りしたメタリックなピットが超クールなのですが、
そこはさらに寄って見ましょう。
↑かっこいいですね。
コーナーが面取りしてあるだけでピットの表情が豊かになるという好例です。
さらに、腰壁の材質が光沢のある網目状の金属なので、メタリックかつ透明度があり、渡り廊下から空が透けて見えて、何とも言えない味を醸しています。
一言で言うと、「た・ま・ら・ん!」 というやつですね。
↑美しいですね。
つや消しのメタリック素材には渋く、コーナーの窓には鮮やかに、空が映り込みます。
↑ちょうクール!
配管萌えの僕としてはたまらないものがあります。
メタリックな配管は後付けのものが多く、付き方によっては興ざめなものもあるのですが、無駄なく二度直角に折れ曲がるこれは秀逸です。
では、吹き抜け内を見てみましょう。
↑渡り廊下型の良いところは、1階がオープンになって採光が多くなるところですね。
レンガの道を敷き、下手に樹木などを植えず、すっきりさせているのも良いです。
↑上から見ても、明るくて開放感があります。
半透明な渡り廊下が、閉塞感を出さないように効果を発揮しています。
↑自転車、傘、鉢植え・・・と、メタリックで無機質な廊下に生活を感じさせるアイテムが
点在しています。
この無機と有機のコントラストも、ツイコリの醍醐味です。
↑おなじみのビューも、一味違う、メタリック風味。
タケヤ味噌かよ。
↑Stylish!(デビルメイクライかよ)
下から見上げたときの静謐とクールさといったら、夏の厚さも吹き飛びます。
全てが人工物の寂寥たる世界で、空が唯一の自然の色彩だとすれば、
空は即ち色、色は即ち空。色即是空、空即是色・・・。
ツイコリの吹き抜けに、禅的空間を僕は感じます。(まじめかよ)
実際、7月に行ったときの写真ですが、涼しかったですよー。
ツイコリの吹き抜けというのは、特に1階がピロティになっている場合、
風が通り抜けて日差しは直接届かないので、洞窟のような効果になって涼しいのです。
これは、幾つものツイコリに足を運んで感じていることなので、間違いないです。
↑この網目状(プレートに穴が多数あるタイプ)腰壁は、なかなか良いです。
廊下に明るさを確保しつつも、下が見えないので高所が苦手な人でも怖くなさそうです。
そして何よりメタリックでかっこいい!
この長い廊下も壮観です。
というわけで、外観はマッシヴ、内側はクールな市営山科住宅でした。
以上。
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